信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 運動量とマウス免疫担当細胞の関係

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.15 Vol.15

 マウスに長期間の自由運動を行わせ,運動の免疫担当細胞に及ぼす影響,および運動量と免疫担当細胞の間に一定の関係があるか否かを検討した.被検動物として,C57BL/6Crマウス20匹を用いた.マウスは,自由運動群(14匹)とコントロール群(6匹)に分けられた.自由運動群の運動開始は6週齢とした,自由運動群は回転ドラム付きケージ(夏目製作所製:東京)で飼育され,一日の運動量をその回転数として求めた.トレーニング期間は6週間であった.免疫能の指標として血中のThy1.2⁺, L3T4⁺, Lyt-2⁺細胞,Ig⁺細胞がフローサイトメータを用いて測定された.
 6週間の全回転数は377,480〜587,324の範囲で,各マウスの平均値±標準偏差は492,505±69,685回転であった.1日平均回転数は1週目6,802±1,165回/日であり,2週目以降6週目までの回転数は,それぞれ11,668±2,445回/日,13,262±2,561回/日,12,696±2,396回/日,12,333±1,779回/日,11,859±1,760回/日(平均値±標準偏差)であった.
 Thy1.2⁺,L3T4⁺,Lyt-2⁺細胞は,コントロール群に比べ運動群で有意に高値を示したが,Ig⁺細胞は,運動群の方がコントロール群より有意に低かった.運動量(6週間の全回転数)と免疫担当細胞(Thy1.2⁺細胞,L3T4⁺細胞,Lyt-2⁺細胞,Ig⁺細胞)の相関係数は,それぞれr=0.1140, r=.0.2429,r=0.4278, r=0.1703であり,免疫担当細胞と運動量の関係は統計的に有意な関係ではなかった.

「デサントスポーツ科学」第15巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 小川芳徳*1, 米本恭三*1, 藤巻正人*2, 内間高夫*2
大学・機関名 *1 東京慈恵会医科大学, *2 民生科学研究所

キーワード

自由運動運動免疫担当細胞