信州大学 繊維学部技術データベース

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PDF 換気カプセル法による布片被覆皮膚の発汗解析

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.15 Vol.15

 皮膚を被覆する布の発汗蒸発に及ぼす影響を明らかにする目的で,発汗カプセル内に布片を挿入し,布片こしに,発汗による相対湿度変化を容量式湿度計一換気カプセル法により測定した.発汗量には布による差を認めなかった.布片こしの相対湿度の増加は,発汗開始よりやや遅れた.温熱負荷終了後の蒸発量減少速度が鈍化し,蒸発終了までの時間が延長した。布素材間の比較では,綿で最も顕著で,ついで絹,ナイロンの順であった.皮膚と布片との接触度による比較では,3mm離れた非接触で最大で,ついで布片にたるみを持たせた部分接触,皮膚に密着した場合がその影響は最小であった.この結果は物性試験における布の乾燥性の結果と一致した.
 以上の結果より,布片と皮膚との接触度が低いほど,また,布素材の比較では,ナイロンより絹さらに綿の方が,汗蒸発・布片乾燥が遅延することが明らかになった.

「デサントスポーツ科学」第15巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 小坂光男, 大渡伸, 松本孝朗, 乙益絹代, 山内正毅
大学・機関名 長崎大学

キーワード

発汗発汗カプセル布片容量式湿度計―換気カプセル法布素材