信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 運動中の心拍数応答の再評価

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.16 Vol.16

 本研究の目的は,あらかじめ心拍数を上昇させたうえで運動負荷試験を行えば,運動強度と心拍数の比例関係も影響を受けるとの仮説を検証することであった.①健常成人において,事前に激運動を行わせ心拍数を上昇させた場合,さらに②心筋梗塞患者で迷走神経減退型を示す症例について,ランプ運動負荷試験中の仕事率一心拍数関係を,換気性作業閾値の上下で2直線回帰し,その傾き(閾値下をα-,閾値上をα+)を比較した.事前に激運動を行わなかった場合,α-とα+に有意な差はみられず(P>0.05),仕事率一心拍数関係はほぼ直線とみなせたが,激運動を行った場合,α-はα+より有意に小さかった(P<0.05).
 また,心筋梗塞患者における仕事率一心拍数関係についても同様の傾向が認められ,α-がα+より有意に小さかった(P<0.05).事前の頻脈あるいは迷走神経活動の減退により引き続き行われる運動中の心拍数の上昇が,強度の低い領域で鈍化することが示された.

「デサントスポーツ科学」第16巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 山本義春*1, 石橋泰寛*1, 東郷史治*1, 韓霖*1, 浜本紘*2
大学・機関名 *1 東京大学, *2 榊原記念病院

キーワード

運動強度心拍数激運動心筋梗塞ランプ運動負荷試験迷走神経活動の減退