水中トレッドミル歩行時の呼吸循環機能ならびに下肢筋活動に及ぼす水位の影響

　健常成人5名を対象に，水中トレッドミル歩行時における水位の差異が，呼吸循環機能および下肢の筋活動に及ぼす影響について陸上と比較検討した．横隔膜，騰，股，大腿中央，膝の5種類の水位においてトレッドミル歩行運動時の換気量，酸素摂取量，心拍数，呼吸困難感，下肢疲労感の生理的応答と前脛骨筋，腓腹筋，ヒラメ筋，内側広筋，大腿直筋，大腿二頭筋の下肢筋活動を測定した．換気量，酸素摂取量，心拍数は，水位の低下に伴って増加する傾向を示し，大腿中央と膝の水位ではほぼ同様の値であった．
　90m/min歩行時の横隔膜水位において，腓腹筋ヒラメ筋の活動が最も低値を示し，浮力の影響が推察された．内側広筋，大腿直筋は水位の低下とともに増加，大腿二頭筋は，水位の低下に伴い減少する特徴が示された．また，各水位における1分間あたりの下肢筋電積分値の総和と酸素摂取量の応答は，有意な相関関係(r=0.974　P<0.01)を示し，水中歩行時の各水位における下肢筋活動が呼吸循環応答に反映されていることが示唆された．

「デサントスポーツ科学」第16巻/公益財団法人石本記念デサントスポーツ科学振興財団

研究者名	渡辺一志, 宮側敏明, 藤本繁夫
大学・機関名	大阪市立大学

キーワード

水中トレッドミル歩行、水位、呼吸循環機能、下肢、筋活動

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