信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 疲労閾値以下のトレーニングが循環・代謝機能に及ぼす効果

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.16 Vol.16

 本研究は,疲労閾値以下(最大筋力の15%)の静的掌握運動トレーニングが中高年者の筋力,循環・代謝機能に及ぼす効果について検討することを目的とした.45〜67歳の健康な女性12名は,最大筋力の15%に相当する強度(15%MVC)の静的掌握を5分間持続するトレーニングを1週間に5日の頻度で10週間行った.その結果,トレーニング肢および非トレーニング肢において最大筋力および一定強度の運動の持続回数が増加し,安静時の拡張期血圧が低下することが示された.また,トレーニング後ではいずれの腕の場合でも,一定強度(15%MVC)の静的掌握運動中の血圧上昇が抑制された.
 さらにトレーニング後では,運動中の筋における酸素化ヘモグロビンの減少量は低下し,運動後の筋への酸素供給量は減少したことから,運動中の筋への酸素供給が亢進した可能性が考えられた.これらのことから15%MVC強度の静的掌握運動トレーニングはトレーニング肢のみならず,非トレーニング肢の循環および代謝にも影響を及ぼす可能性が示唆された.

「デサントスポーツ科学」第16巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 本間幸子, 加賀谷淳子
大学・機関名 日本女子体育大学

キーワード

静的掌握運動トレーニング筋力循環・代謝機能拡張期血圧運動中の筋