信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 足踏み運動による足底部への物理的刺激が及ぼす運動と温熱効果

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.16 Vol.16

 表面に突起物を有する足踏み器Aと突起物のない足踏み器B(ともに踏み圧10kgのスプリング内蔵)を使用して,運動負荷試験を実施し,生体への効果を比較検討した.運動負荷は,座位姿勢で足底部を足踏み器上に乗せ,脚力で踏み込ませた.結果は,以下のとおりである.
 1)足踏み器Aの運動強度は,散歩程度50m/minの歩行速度に相当した.
 2)足踏み器A,Bの循環機能への反応は,運動時間5分間で心拍数が約6%増加に対し,運動時間10分間では心拍数が約29%増加した.しかし,血圧は5分間,10分間ともに大きな変化はなかった.
 3)運動負荷中の腰椎背部筋群の筋電図はS足踏み器Aが足踏み器Bよりも,反応が大きかった.
 4)足踏み器Aと足踏み器Bを1分間,3分間,5分間そして10分間踏んだ後の足底部平均皮膚温を測定前値と比較すると,いずれの負荷時間でも足踏み器Aの平均皮膚温は増加し,その増加程度は10分間が最も大きかった.
 以上の測定結果より「足踏み器A」の生体への効果は,脚力の補強と運動不足解消の補助的役割を果たす.しかも,突起物で足裏を刺激することにより,温熱効果が顕著にあらわれた.

「デサントスポーツ科学」第16巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 菅原正志, 田井村明博, 武政剛弘
大学・機関名 長崎大学

キーワード

運動負荷試験足底部足踏み循環機能腰椎背部筋群足裏を刺激