信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 女子陸上競技選手における骨租鬆症とホルモン異常の関連性についての研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.16 Vol.16

 女子陸上長距離選手における無月経と骨密度低下の原因解明のため,生殖機能発現期の若年ラットに卵巣摘出術(OVEX)を行い,実験的無月経ラットを作製して強制走行負荷(R: running)を行い,骨密度の変化について無走行(N: no-running)および偽手術(SHAM)群と比較検討した.
 その結果1)DEXAによる大腿骨骨密度の分析によればOVEX-R,Nの両群はSHAM-N群に対して有意な低値となり,さらにOVEX-R群はOVEX-N群よりさらに減少するのが認められた.一方,SHAMラットにおいてはR群はN群より有意な上昇を示した.
 2)大腿骨骨密度は,殊に皮質骨部で低値を示し,海綿骨部では著明な変化はみられなかった.
 3)第三腰椎骨密度はOVEX-R,Nの両群がともにSHAM-N群より有意に低値であったが,OVEXラットではR群とN群には差が認められなかった.
 以上の結果から,OVEX-R群は大腿骨および第三腰椎骨密度の変化において,無月経をともなう女子陸上競技選手の状態に極めて近似したものと推察される.

「デサントスポーツ科学」第16巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 福島一雅, 布袋屋浩, 斉藤明義, 佐藤勤也, 村井一郎
大学・機関名 日本大学

キーワード

無月経骨密度低下卵巣摘出強制走行負荷偽手術女子陸上競技