信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 水泳による積極的回復がその後の血中乳酸動態およびパフォーマンスに及ぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.16 Vol.16

 本研究の目的は,水泳および自転車による回復運動が,血中乳酸動態およびその後の1分間最大運動のパフォーマンスに及ぼす影響を検討することであった.7名の男子鍛錬者は約130%Vo₂max強度の1分間最大運動を,2分間の休息をはさんで3回行った.回復条件は,安静(R:60分間の座位安静),自転車(C:40%Vo₂max強度での30分間の自転車運動)および水泳(S:任意の強度での30分間平泳ぎ)であった.安静時の血中乳酸濃度に差はなかった.
 3回の最大運動後の血中乳酸濃度は,Sで15.8±2.1mmol/l,Cで15.7±2.4mmol/l,Rで16.8±1.9mmol/lであった.回復期の血中乳酸濃度はSで低く,回復25分ではRに,回復35分ではRとCに比べて有意に低かった.回復後のパワーはSでRに比べて有意に低かった.したがって,最大自転車運動後に水泳を回復運動として用いると,血中乳酸濃度の低下は速くなるが,その後の自転車運動のパフォーマンスには好ましくないことが示唆された.

「デサントスポーツ科学」第16巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 後藤真二*1, 樫崎龍一*2
大学・機関名 *1 群馬大学, *2 群馬県立前橋西高等学校

キーワード

水泳自転車回復血中乳酸動態最大運動