信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF サーマルマネキンによる着衣・温熱環境分布の快適性評価に関する研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.16 Vol.16

 サーマルマネキンを用いて着衣,温熱環境の評価を行う方法,椅子の熱抵抗に関して研究を行った.実際の空間内では,均一ではない温熱環境が形成されていることが多い.また,着衣に関してもOA椅子などによる部分的な着衣熱抵抗増加を考慮する必要がある.人体の部位を考慮したこれらの問題に関しては,これまで明確な結論が得られていない.
 本研究では,均一な温熱環境が得られる人工気候室において裸体と着衣したサーマルマネキンを暴露し各部熱損失,皮露温を測定した.その結果より各部位総合熱伝達率,着衣熱抵抗を算出した.裸体時の総余熱伝達率は,7.9W/m²℃となった。また,対流熱伝達率は32W/m²℃と推定された.加えて,サーマルマネキンによる等価温度が提案された.椅子の熱抵抗が灘定されOA椅子はメッシュ椅子より0.15 clo熱抵抗が増加することが示された.これは,オフィスにおいて中立温度を1℃変化させることが示された.

「デサントスポーツ科学」第16巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 田辺新一
大学・機関名 お茶の水女子大学

キーワード

サーマルマネキン着衣温熱環境熱抵抗熱損失対流熱伝達率