荷物の持ち方が身体の平衡に及ぼす影響
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.16 Vol.16】
荷物(体重の10,20あるいは30%)を両手,片手,片肩,背あるいは頭に負荷して安静立位,バランスボード上で立位維持,遮眼でその場足踏み,および立位で上肢の押し動作を行ったときの平衡機能を,負荷なしでそれぞれの検査を行ったときと比較,検討し,つぎのような結果を得た.
1)10%の負荷では片手,片肩,背のいずれに負荷した場合も,負荷なしと比較して,重心動揺の総移動距離と面積,およびバランス維持時間のいずれにおいても有意な差は認められなかった.
2)20%の負荷を片手(P<0.05),片肩(P<0.05),あるいは頭(P<0.01)に負荷したときの重心動揺の総移動距離および片肩(P<0.01)あるいは頭(P<0.01)に負荷したときの動揺面積は,負荷なしに比較して有意に大きな値を示した.
3)20%の荷物を背に負荷して,立位で上肢の押し動作をできるだけ素早く行ったときの前方最大動揺幅は,負荷なしで同様の動作を行ったときに比較して,有意に(P<0.01)小さな値を示した.
4)遮眼でその場足踏を行った場合,負荷10%および30%における移行距離は10例中5例および10例中6例,回転角は9例中7例および9例中6例において,それぞれ負荷なしに比較して(統計処理は行っていないが)小さな値を示した.
「デサントスポーツ科学」第16巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
1)10%の負荷では片手,片肩,背のいずれに負荷した場合も,負荷なしと比較して,重心動揺の総移動距離と面積,およびバランス維持時間のいずれにおいても有意な差は認められなかった.
2)20%の負荷を片手(P<0.05),片肩(P<0.05),あるいは頭(P<0.01)に負荷したときの重心動揺の総移動距離および片肩(P<0.01)あるいは頭(P<0.01)に負荷したときの動揺面積は,負荷なしに比較して有意に大きな値を示した.
3)20%の荷物を背に負荷して,立位で上肢の押し動作をできるだけ素早く行ったときの前方最大動揺幅は,負荷なしで同様の動作を行ったときに比較して,有意に(P<0.01)小さな値を示した.
4)遮眼でその場足踏を行った場合,負荷10%および30%における移行距離は10例中5例および10例中6例,回転角は9例中7例および9例中6例において,それぞれ負荷なしに比較して(統計処理は行っていないが)小さな値を示した.
「デサントスポーツ科学」第16巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 山下謙智*1, 万井正人*1, 井街悠*1, 中林稔堯*2, 笹山哲*1 |
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大学・機関名 | *1 京都大学, *2 神戸大学 |
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