信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 思春期における運動による骨粗鬆症予防の検討

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.16 Vol.16

 若年期からの,骨粗鬆症の積極的予防のためには,運動をどのライフステージにおいて,いかなる種目を実施すれば骨密度を効率よく高めることができるかについて,検討を行った.
 18〜24歳の健常な女子学生360名の腰椎(L2-L4)と大腿骨近位部(neck, Ward's triangle, trochanter)の骨密度を測定し,過去から現在にわたる月経歴を含む身体状況,ライフスタイル,とくに運動習慣を詳細に観察し,体力測定,身体計測も行った.その結果,骨密度値は体格と最も高い相関を示し,初経年齢,運動継続年数なかでも中学時(12〜15歳)における運動歴と高い相関が見出された.12〜15歳は,骨密度が急激に上昇する時期であり,骨粗霧症予防において重要な役割を果たす時期であると考えられる.運動種目については,バレーボール,バスケットボール,陸上競技に有意な骨密度の高値が認められたことから,重心の垂直方向への移動を伴う全身運動が骨密度上昇に効果的であることが推察された.
 以上のことから,思春期(12〜15歳)における適切な運動習慣の指導は,更年期以降に多発する骨粗霧症の有効な予防法となりうるであろう.

「デサントスポーツ科学」第16巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 広田孝子*1, 中林朋子*1, 藤木雅美*1, 木藤由紀子*1, 広田憲二*2
大学・機関名 *1 辻学園, *2 大阪大学

キーワード

骨粗鬆症骨密度腰椎大腿骨近位部運動習慣運動歴