信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 運動時の体温,発汗反応に与えるスポーツウェアの通気性の影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.16 Vol.16

 通気度の異なるポリエステルまたは綿の4種類の衣服について,運動時の体温,発汗反応への影響を観察した.胸部の局所発汗量は,通気度の低い衣服の方が少なくなる傾向にあった.鼓膜温は,綿では通気度の低い方が,ポリエステルでは通気度の高い方が高くなる傾向がみられた.胸部衣服内温湿度は,通気度の高いポリエステルの衣服で,運動時に大きく低下した.胸部衣服表面温度は,通気度の高い衣服の方が運動中の低下が大きかった.背部衣服表面温度は,ポリエステルに比べ綿の方が変化が大きかった.
 発汗サーマルマネキンを用いて,素材(ポリエステルと綿)と通気度の異なる衣服の衣服内気候を測定した.発汗時の衣服内温度の上昇は,綿の方がポリエステルより大きかった.衣服の水分特性の違いは,発汗の初期や発汗の停止直後にみられた.衣服の内外の蒸気圧差は,衣服素材の違いを反映した.衣服内の水分移動の解析には,衣服全体にわたって多くの測定点で測定する必要がある.

「デサントスポーツ科学」第16巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 平林由果(旧姓:山下)*1, 足立公洋*2, 中西正恵*3, 柳内雄一*4, 志治富子*4
大学・機関名 *1 金城学院大学, *2 大阪工業技術研究所, *3 神戸女子大学, *4 日清紡績美合工場研究所

キーワード

通気度衣服体温発汗反応鼓膜温発汗サーマルマネキン