信州大学 繊維学部技術データベース

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PDF 運動時脱水回復に及ぼす給水方法の影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.16 Vol.16

 スポーツ練習時(野球,ハンドボール,サッカー,アメリカンフットボール)の環境温度と水分出納(発汗量,飲水量,体重減少量)の関係を検討した.練習中市販スポーツドリンクを供給した.発汗量と飲水量はWBGTの上昇に伴い増加した.水分を摂取することにより体重減少量はWBGTと相関関係を示さなかった.体重減少量は発汗量と飲水量から求めた水分補給率との間には負の相関関係が認められた。
 フェンシング練習時に,ストローで給水した場合とコップで給水した場合の水分補給率を比較すると,ストロー給水は36.6%であるが,コップ給水は59.3%で高値であり,水分の投与方法にも注意が必要である.これらの結果から,発汗量と飲水量はWBGTの上昇に伴い増加するが,体重減少量は自由飲水において,おおむね一定に保たれる.水分補給率は練習形態,供給の用具,あるいは水分摂取の利点,ならびにその必要性についての知識等,ならびに練習中に選手が飲水容器に近づきやすい条件により影響を受けることが示された.

「デサントスポーツ科学」第16巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 中井誠一*1, 芳田哲也*2, 京都府立医科大学*3
大学・機関名 *1 京都女子大学, *2 京都工芸繊維大学, *3 京都府立医科大学

キーワード

スポーツ練習環境温度水分出納WBGT水分補給率