信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 急な雨天によりスポーツウェアが湿潤した際の体の冷却作用とそれに対する肌着素材の生理的意義

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.16 Vol.16

 雨でスポーツウェアが濡れた際に,その内に着用している肌着の素材が体の冷却作用と生理反応に与える影響について調べた.環境温20℃相対湿度80%に設定されている人工気候室で,9名の成人女子が被験者として協力した.スポーツウェアの内に着用する肌着の素材が綿100%(綿条件),あるいはポリエステル70%とウール30%の混紡素材(混紡条件)について実験を行った.肌着としてアンダーシャツ,ズボン下,ブラジャー,ショーツ,ソックスを用いた.
 被験者は直腸温が安定に達した後,立位安静で,2分間は120mm/hあるいは80mm/hの雨に濡れた.そして,15分間立位安静を保った後,最後の5分間は有風下(4.8m/sec)におかれた.平均皮膚温と平均体温のレベルは,多雨有風下の綿条件の方が混紡条件よりも有意に低くなった.被服表面温が綿条件で高く,環境へ多くの熱を失っていた.被験者は綿条件においてより寒く,不快に感じた.

「デサントスポーツ科学」第16巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 緑川知子, 登倉尋實
大学・機関名 奈良女子大学

キーワード

スポーツウェア濡れた肌着素材冷却作用生理反応