信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF サッカー選手の試合中の生理学的特徴および動きの特徴

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.18 Vol.18

 本研究の目的は,サッカー選手の試合中の生理学的特徴および動きの特徴を明らかにすることであった.被検者は大学生サッカー選手10名であり,ポジションがFowarder,MidfielderおよびDefenderであった.被検者に対し,実験室で最大酸素摂取量(Vo₂max)と最大心拍数(HRmax),そしてフィールドで酸素摂取量(Vo₂),心拍数(HR),血中乳酸濃度(La),移動距離および移動スピードの測定を行った.Vo₂maxとHRの測定はトレッドミルを用いて,疲労困懸に至るまでの最大運動テストを行った.試合中のVo₂とHRの測定は,携帯型の測定装置を用いて一試合を通して行った.試合中の移動距離と移動スピードの測定は三角法を用いて行った.その結果,試合中のVo₂と% Vo₂maxが37.0±8.5ml・kg⁻¹・min⁻¹と61.9±13.4%,HRと%HRmaxが153.7±12.1beats・min⁻¹と79.3±6.1%そしてLaが4.8±1.7mmol・l⁻¹であった.試合中のエネルギー消費量については1140.4±189.2kcalと0.185±0.022kcal・kg⁻¹・min⁻¹であった.また,試合中の移動距離については10777.3±502.8mであった.そして,試合中の移動距離の約70%が4m・sec⁻¹以下のスピードであった.以上の結果から,この年代のサッカー選手は試合中に有酸素性の運動を維持しながら,高強度の無酸素性の運動を何度も繰り返し行っていることが明らかとなった.

「デサントスポーツ科学」第18巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 宮城修*1, 須佐徹太郎*2, 北川薫*1
大学・機関名 *1 中京大学, *2 阪南大学

キーワード

サッカー生理学的特徴動きの特徴最大運動テスト有酸素性の運動