信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 運動イメージ再生法によるトレーニング効果の運動神経生理学的機序

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.18 Vol.18

 運動イメージの運動神経生理学的機序を解析する目的で,手首の屈曲運動を想起した時のH反射と運動誘発電位(MEP)の変化を調べた.H反射とMEPの両者が容易に記録できる前腕の屈筋(FCR)を対象とした.H反射の記録には,電気刺激(1ms幅)を用いた.MEP記録には,磁気刺激を用いた.H反射とMEPを指標とした理由は,運動イメージの想起が中枢性(MEP)あるいは,脊髄性(H反射)にどのような異なった効果(影響)を持つかを検討するためであった.得られたH反射とMEPの変化動態から,運動イメージは脊髄レベルには著明な影響を及ぼさず,中枢レベルで著しい変化をもたらした.これらの結果から,トレーニング効果(運動学習)を高める一つの重要な手段として多用されている「運動イメージ再生法」の運動神経生理学的機序と,その機能的意義について論議した.

「デサントスポーツ科学」第18巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 笠井達哉
大学・機関名 広島大学

キーワード

運動イメージ運動神経生理学手首の屈曲運動H反射運動誘発電位前腕の屈筋