信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 長期間の習慣的な運動が中高年者の成人病危険因子および体温調節能に及ぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.18 Vol.18

 習慣的な運動が中高年者の成人病危険因子や体温調節能に及ぼす影響を検討をするため,長期間(5.7±6.3年),習慣的(週3.1±2.2日)に運動を実施している運動習慣者75名と非運動者301名を比較する横断的な研究と3ヵ月間の運動プログラム(ウォーキング)実施者27名による縦断的な研究を行った.形態血圧,血液諸成分,行動体力および体温調節能を観察した.
 体脂肪率は習慣的な運動実施者と非運動者に差は見られなかったが,3ヵ月間のウォーキング実施者で有意な低下を示し,脂肪量が減少した.HDL-Cは運動習慣者と非運動者で差が認められなかったが,TC,TG,動脈硬化指数AIの値は運動習慣者で低かった.運動習慣者およびウォーキング実施者に筋力,柔軟性,敏捷性の機能向上が認められた.運動習慣者は非運動者に比べウォーキング時の体温上昇度は低く,体重減少率はわずかに大きい傾向にあった.
 これらのことより,中高年者にとってウォーキングのような比較的軽い運動であっても習慣化することにより成人病予防として効果のあることが示唆された.

「デサントスポーツ科学」第18巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 寄本明*1, 岡本秀己*1, 山本和代*2, 吉岡正子*2
大学・機関名 *1 滋賀県立大学, *2 愛東町保健センター

キーワード

習慣的な運動中高年者成人病危険因子体温調節能ウォーキング