信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF アウトドア用の安全で快適な肌着の研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.18 Vol.18

 快適な衣服は,健康な衣生活にとって大切であるが,アウトドアにおいては,それ以上に安全性が要求され,肌着素材はその大きな要因を担っている.そこで肌着素材の比較テストとしてズボン下に着目し,左右脚部が異なった繊維で構成されたズボン下を6種・計100着試作し,寒冷時にアウトドアでの着用テストを依頼実施した.一方,人工気候室の氷点下の環境で,水分特性の異なるアンダーシャツと外衣の重ね着の着用実験を行った.
 その結果丁寒冷時にふさわしい着衣で,運動強度が適当な場合は概してどのような材質の肌着も快適であるが,発汗を伴うようになると,肌着の水分特性が快適性評価に影響を及ぼすことがわかった.また,氷点下の寒冷環境において,発汗の多い場合に重ね着の最外層の内側に霜や氷の付着がみられた.
 これらのことからアウトドアにおいては,肌着素材の選択と重ね着の組み合わせ方が,サバイバル特性(緊急生存安全性)として重要であるとの知見を得た.素材特性を強調した商品は多いが,それだけでは十分でなく,今後は,芝素材特性と重ね着のトータルシステムの研究が強く期待され,これを引き続き行いたいと考えている.

「デサントスポーツ科学」第18巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 吉田恭子, 山本泉
大学・機関名 武庫川女子大学

キーワード

快適な衣服アウトドア安全性肌着素材重ね着サバイバル特性