信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

窒素酸化物に対する染色堅ろう度試験方法の開発

【大分類:3. テキスタイル 中分類:3.2 染色 小分類:3.2.4 その他

本研究では,窒素酸化物の供給にボンベガスを用いる試験方法について検討し,下記の結論を得た。
1. ボンベから試験装置へガスを流し続けるフロー法は試験時の試験装置内のNOx 濃度のばらつきが小さいことがわかった。
2. ガスをボンベからガス採取サンプルバッグに一旦封入し,そこから注射器で採取し供給するバッチ法は試験時の試験装置内のNOx 濃度のばらつきが小さいことがわかった。また,試験装置内の湿度変化も小さいことがわかった。
装置内のNOx 濃度をJIS 法と同程度にすることで,現行のJIS 法と整合性がとれた暴露試験が実施可能であることを明らかにした。
3. フロー法で試験を行う際の課題である装置内の湿度変化については,装置内に水を張ったシャーレを置く方法,洗気瓶に水を入れバブリングする方法で試験装置を調湿することにより装置内の湿度を保つことを可能とした。また, 装置内のNOx 濃度は調湿方法(シャーレ法,洗気瓶法2)による影響が小さいことを確認した。フロー法でガスを供給する試験方法において,シャーレ,洗気瓶法2 で調湿を実施することにより,安定した湿度および濃度で暴露試験が実施可能であることを明らかにした。

【主要参考文献】
(1) JIS L 0855:2005;窒素酸化物に対する染色堅ろう度試験方法(2005)
(2) JIS Z 8722:2009;色の測定方法-反射及び透過物体色(2009)
(3) JIS Z 8730:2009;色の表示方法-物体色の色差(2009)
(4) 浦畑俊博:「保管時の染色物の変退色」,繊維製品消費科学会誌,vol.23,No.3,pp. 97-100(1982)
(5) 朝倉守,小柴多佳子,福島富子:「窒素酸化ガスによる綿−反応染料染色物の変色」,東京都立繊維工業試験場研究報告書,vol.40,pp.25-30(1993)

アンケート調査(2014年)/信州大学繊維学部Fii
研究者名 岡田明子
大学・機関名 東京都立産業技術研究センター 繊維・化学グループ

キーワード

窒素酸化物染色堅牢度(染色堅ろう度)標準染色布ボンベガスJIS