信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

炭酸ガスレーザー超音速延伸法で作製したナノファイバー

【大分類:2. 繊維製造 中分類:2.1 特殊繊維 小分類:2.1.1 ナノファイバー

 炭酸ガスレーザー超音速延伸法は、当研究室で独自に開発されたトップダウン型のナノファイバー作製法である。本方法は、亜音速から超音速領域の空気の流れの中で、繊維に炭酸ガスレーザーを照射して部分融解させ、溶融した繊維を数十万倍まで超延伸して、ナノファイバーを作製する方法である。本方法は、熱可塑性高分子材料であれば適用でき、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン2,6ナフタレートなどのポリエステル、ポリ乳酸やポリグリコール酸などの生分解性ポリマー、溶剤に難溶なポリオレフィンやフッ素系樹脂およびスーパーエンジニアリングプラスチックなどの様々な高分子材料のナノファイバー化が可能である。本方法の特徴は、①ほとんどの熱可塑性高分子材料のナノファイバー化に適用でき、②得られるナノファイバーの配向性は高く、長繊維であり、③ナノファイバーの作製過程で溶剤を使用しないため、作業環境およびナノファイバーの安全性は高く、④チャンバー圧やレーザー出力などの延伸条件を変えることで容易に繊維径を制御できることなどが挙げられる。また、ナノファイバーの捕集方法を変えることで、ナノファイバーのシート、マルチフィラメントおよび3次元構造体を作製できる。

【主要参考文献】
[1] Suzuki A, Aoki K. Euro Polym J 2008; 44: 2499-2505.
[2] Suzuki A, Tanizawa K. Poymer 2009; 50: 913-921.
[3] Suzuki A, Yamada Y. J Appl Polym Sci 2010; 116: 1913-1919.
[4] Suzuki A, Arino k. Poymer 2010; 51: 1830-1836.
[5] Suzuki A, Arino k. Euro Polym J 2012; 48: 1169-1176.
[6] Suzuki A, Hayashi H, eXPRESS Polymer Letters 2013; 7, 519?527
[7] Suzuki A, Mikuni T, Hasegawa T. J Appl Polym Sci 2014, 131, 40015.

アンケート調査(2014年)/信州大学繊維学部Fii
研究者名 鈴木章泰
大学・機関名 山梨大学

キーワード

ナノファイバー(ナノ繊維)炭酸ガスレーザー超音速延伸熱可塑性高分子(ポリマー)シートマルチフィラメント3次元構造体