本研究は，合成繊維および再生繊維集合体の寝具用途への材料設計および寝心地にかかわる実用性能を検討するうえで必要とされる基礎的資料を得ることを目的とした研究である．敷きふとんなどの寝装用途に用いられる中わた部材として，近年業界で流通している異型断面，丸断面および中空断面ポリエステル（PET），ポリトリメチレンテレフタレート（PTT）などの合成繊維，キュプラ（Cu）およびリヨセルなどの再生セルロース繊維からなる短繊維集合体12種を試料とした．圧縮特性として繰り返し圧縮−回復特性、および、圧縮粘弾性特性として応力緩和特性とクリープ特性について実験的および理論的に検討した．さらに睡眠時に発生している人体の不感蒸泄や発汗による水分が，繊維集合体の圧縮特性に及ぼす作用を明確にするため，持続的に安定した高湿環境を設定できる測定システムを作製し，KES-G5圧縮試験機，圧縮クリープ試験機を恒湿槽中に設置し，寝床内気候を想定した高湿環境下での圧縮機構について線型粘弾性モデルに基づく検討を行った．

【主要参考文献】
[1]Nakajima C, Yoneda,M Itoh Y ; J Text Eng, 56: 29-38 (2010)
[2]Nakajima C, Yoneda M, Itoh Y ; J Text Eng, 56: 39-46 (2010)
[3]Nakajima C, Yoneda M ; J Text Eng, 56: 139-146 (2010)
[4]Nakajima C, Yoneda M, Nishioka S, Miyazaki A ; J Text Eng, 56: 195-202 (2010)
[5]Yoneda M, Nakajima C, Yanagihara A ; J Text Eng, 58: 77-88 (2012)
[6]Nakajima C, Yoneda M ; J Text Eng, 58: 89-97 (2012)
[7]Nakajima C, Yoneda M ; J Text Eng, 60: 15-21 (2014)


アンケート調査（2014年）/信州大学繊維学部Fii