信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 運動時に増加する活性酸素を消去するビタミンCとEの相互作用に関する研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.19 Vol.19

 運動時に増加する活性酸素を消去する2つのビタミンC,Eの相互作用を,我々が開発したビタミンCの正確な定量法を用いて動物実験で初めて明確にした.人間と同様,ビタミンCを合成できないODSラットを4つのグループ(対照群,ビタミンC欠乏群,ビタミンE欠乏群,ビタミンC,E同時欠乏群)に分けた.これら4つの群の各臓器のビタミンC,E量の変化を正確に測定すると,両ビタミンの間には相互作用が存在し,どちらのビタミンが欠乏しても他のビタミンの欠乏を引き起こすことが判明した.とくに試験管内の研究で提唱されていたビタミンCによるビタミンEの再生反応と共に,試験管内の研究では存在しない逆の相互作用,すなわち,ビタミンEによるビタミンCの節約効果が動物実験によって初めて明らかにすることができた.本研究により,運動選手は筋肉をはじめとする臓器を活性酸素の障害から守るため,両ビタミンの補給に注意すべきであることが明らかになった.酸化的障害のパラメーターであるチオバルビツール酸反応性物質(TBARS)についても両ビタミン間に相互作用が存在することが明らかになった.

「デサントスポーツ科学」第19巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 小城勝相
大学・機関名 奈良女子大学

キーワード

活性酸素ビタミンCビタミンEチオバルビツール酸反応性物質(TBARS)