信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 脊髄損傷者の全身持久能力に影響を及ぼす要因について

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.20 Vol.20

 本研究は脊髄損傷(脊損)者の全身持久能力に影響を及ぼす主要な要因を決定することを目的とした.被験者は脊損者男子38名(C6〜L5)であった.全身持久能力の指標には,腕エルゴメーターを用いた最大下運動負荷テストによる心拍数150拍/分当たりの酸素摂取量(PWC150:ml・kg⁻¹・min⁻¹)を用いた.林の数量化I類を用い,年齢,身体活動,喫煙,職業の有無,脊損部位および受傷期間の6つの要因とPWC150との関係について分析した.数量化解析の結果,PWC150への影響の大きさの指標となる偏相関係数は,脊損部位(0.664),身体活動状況(0.610),受傷期間(0.510),年齢(0.450),喫煙状況(0.318)および職業の有無(0.191)の順に大きかった.また,6つの要因によるPWC150の予測値と観測値との間の重相関係数は0.771と高い値を示した.以上のことから,脊損者の全身持久能力は脊損部位および身体活動に最も強く影響されることが示された.

「デサントスポーツ科学」第20巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 村木里志*1,山崎昌廣*2,江原喜人*3
大学・機関名 *1 県立長崎シーボルト大学,*2 広島大学,*3 総合せき損センター

キーワード

脊髄損傷全身持久能力最大下運動負荷テスト林の数量化 I 類