新繊維素材としての紫外線に強い蜘蛛糸の研究
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.20 Vol.20】
ジョロウグモから牽引糸を採取することが可能な自動糸巻き器を製作し,それを用いて大量に採取した牽引糸の可視・紫外線領域における反射スペクトルを測定した.また,紫外線を照射した牽引糸の可視・紫外線領域における反射スペクトルを調べた結果,紫外線照射時間とともに450nm以下の可視領域および紫外線領域での反射率が大幅に低下することが判明した.さらに,紫外線を照射した牽引糸の力学強度の変化を調べた結果,紫外線照射時間と共に破断強度が低下することが判った.
一方,蚕からの絹糸をフレームで巻き取り,生糸として調製した後,紫外線照射によって可視・紫外線領域における反射スペクトルの変化を調べた.紫外線を照射した生糸では,300nm〜450nm付近の反射率が大幅に低下することが判った.また,紫外線を照射した生糸で発生するラジカル強度は,牽引糸よりもはるかに大きいことが判った.
これらの結果から,蜘蛛の牽引糸は生糸よりも,紫外線に対して劣化しにくく,牽引糸が新しい繊維素材として有用である可能性が示唆される.
「デサントスポーツ科学」第20巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
一方,蚕からの絹糸をフレームで巻き取り,生糸として調製した後,紫外線照射によって可視・紫外線領域における反射スペクトルの変化を調べた.紫外線を照射した生糸では,300nm〜450nm付近の反射率が大幅に低下することが判った.また,紫外線を照射した生糸で発生するラジカル強度は,牽引糸よりもはるかに大きいことが判った.
これらの結果から,蜘蛛の牽引糸は生糸よりも,紫外線に対して劣化しにくく,牽引糸が新しい繊維素材として有用である可能性が示唆される.
「デサントスポーツ科学」第20巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 大﨑茂芳 |
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大学・機関名 | 島根大学 |
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