信州大学 繊維学部技術データベース

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PDF 光ファイバを用いた赤外線鼓膜体温計の有用性

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.20 Vol.20

 光ファイバを用いた赤外線鼓膜体温計の有用性を,1)基準温度と比較,2)下肢温浴と運動負荷時の深部体温変化をこれまでの方法と比較,3)発汗反応(発汗量と深部体温関係における勾配:発汗の感受性,発汗開始深部体温閾値:発汗開始閾値)での比較から検討した.簡易黒体炉を用いて基準温度を36〜40℃の間で変化させた場合,赤外線鼓膜体温計は直線性,追従性および安定性の基本性能を有し,測定誤差は±0.2℃であった.2)の条件において赤外線鼓膜体温計で測定した鼓膜温(赤外線Tty)はサーミスタで測定した鼓膜温(サーミスタTty)ならびに食道温と同様な値を示した.また,両負荷中,本システムで連続的に鼓膜温を測定することができた.さらに3)より,発汗反応の指標である発汗の感受性と発汗開始閾値は,赤外線Ttyで算出した場合と,他の深部体温で算出した場合とでほぼ同様であった.以上のことより,光ファイバを用いた赤外線鼓膜体温計は鼓膜温を連続的に,また,安全に測定できる新しい方法であることが示唆された.

「デサントスポーツ科学」第20巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 近藤徳彦*1,芝崎学*2,堀川直幹*3
大学・機関名 *1 神戸大学,*2 奈良女子大学,*3 神戸大学(現所属:帝人株式会社)

キーワード

光ファイバ赤外線鼓膜体温計下肢温浴運動負荷発汗