肥満小児の体脂肪分布と生活習慣病リスクファクターに関する研究
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.20 Vol.20】
肥満小児の体脂肪分布の実態を明らかにするとともに,脂肪分布と血中の生活習慣病危険因子との関連を検討した.
中〜高度単純性肥満児童151名(平均年齢9.8歳,平均肥満度45.8%)を対象に臍高部CT画像撮影を行い,皮下脂肪面積と内臓脂肪面積を算出した.皮下/内臓脂肪面積比をV/S比とした.採血は早朝空腹時,もしくは随時採血で行い,トリグリセライド,FFA,総コレステロール,LDLC,HDL-C,VLDLなどの脂質代謝関連指標,GOT,GPT,コリンエステラーゼなどの肝機能指標,痛風と関わる血清尿酸値,インスリン,成長ホルモン,コルチゾールなどの脂肪蓄積・分解に関わるホルモン等を定量した.
皮下・内臓脂肪面積の平均値はそれぞれ203.1cm²,42.6cm²であり,V/S比は0.21であった.各生活習慣病危険因子の多くは皮下脂肪と強く相関し,内臓脂肪との相関は皮下脂肪に比べ低かった.しかしながら,GOT,GPT,Apo A1,Apo A2,コリンエステラーゼに関しては内臓脂肪との相関の方が高かった.また,V/S比はコリンエステラーゼのみと相関が認められた.
小児肥満児は高度な肥満を呈していてもほとんどの者が皮下脂肪型であることが明らかとなった.成人では内臓脂肪の蓄積に伴い生活習慣病に対する危険度が高くなるが小児の場合,内臓脂肪の絶対量が少ないため生活習慣病危険因子との関連は皮下脂肪の方が強い傾向が認められた.しかし,内臓脂肪の絶対量が100cm²を越える児童も認められ,早期の対応が必要であると思われた.
「デサントスポーツ科学」第20巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
中〜高度単純性肥満児童151名(平均年齢9.8歳,平均肥満度45.8%)を対象に臍高部CT画像撮影を行い,皮下脂肪面積と内臓脂肪面積を算出した.皮下/内臓脂肪面積比をV/S比とした.採血は早朝空腹時,もしくは随時採血で行い,トリグリセライド,FFA,総コレステロール,LDLC,HDL-C,VLDLなどの脂質代謝関連指標,GOT,GPT,コリンエステラーゼなどの肝機能指標,痛風と関わる血清尿酸値,インスリン,成長ホルモン,コルチゾールなどの脂肪蓄積・分解に関わるホルモン等を定量した.
皮下・内臓脂肪面積の平均値はそれぞれ203.1cm²,42.6cm²であり,V/S比は0.21であった.各生活習慣病危険因子の多くは皮下脂肪と強く相関し,内臓脂肪との相関は皮下脂肪に比べ低かった.しかしながら,GOT,GPT,Apo A1,Apo A2,コリンエステラーゼに関しては内臓脂肪との相関の方が高かった.また,V/S比はコリンエステラーゼのみと相関が認められた.
小児肥満児は高度な肥満を呈していてもほとんどの者が皮下脂肪型であることが明らかとなった.成人では内臓脂肪の蓄積に伴い生活習慣病に対する危険度が高くなるが小児の場合,内臓脂肪の絶対量が少ないため生活習慣病危険因子との関連は皮下脂肪の方が強い傾向が認められた.しかし,内臓脂肪の絶対量が100cm²を越える児童も認められ,早期の対応が必要であると思われた.
「デサントスポーツ科学」第20巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 冨樫健二,増田英成,藤沢隆夫,神谷齊,征矢英昭 |
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大学・機関名 | 三重大学,国立三重病院,筑波大学 |
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