信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF クレアチンの経口投与がヒトの筋および全身運動能力に及ぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.20 Vol.20

 クレアチン(Cr)の経口投与がヒトの筋力および無酸素パワーやスプリント走能などの運動能力にどのような影響をもたらすのか,健常な男子大学生で検討した.被検者は任意に2群に分けられ(それぞれn=6),1群は8gのCr一水和物を1日に3回(24g/日),12日間経口摂取した.他の被検者は偽薬群として参加した.酵素法および³¹P-核磁気共鳴装置を用いて,尿および血清中Cr,それに大腿筋中高エネルギーリン酸含有量を,投与前後に測定した.Cr投与が各角速度での膝および体幹の最大伸展・屈曲力,最大無酸素パワー,それにスプリント走能に及ぼす影響も求めた.尿および血清中Cr,それに大腿筋中高エネルギーリン酸含有量は,Cr投与により上昇した.また,とくに体幹筋の最大筋力,および自転車エルゴメーター運動中の無酸素パワーが改善されたが,スプリント走能には効果が得られなかった.Cr投与は最大筋力および短時間無酸素パワーの改善に効果的であるということが示唆された.また,Cr投与に筋力トレーニングを併合すれば,さらに効率のよい成果があがる可能性もあろう.

「デサントスポーツ科学」第20巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 大平充宣,井上尚武,塩川勝行,荻田太,奥脇透
大学・機関名 鹿屋体育大学

キーワード

クレアチン経口投与筋力無酸素パワースプリント走能