運動習慣に関する心理行動医学的研究
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.20 Vol.20】
東京都内の某企業に勤務する事務系労働者254名(男性186名,女性68名)を対象に,運動習慣に関する心理行動医学的研究を行った.運動習慣の評価は,Transtheoretical Theoryに従ってStageof Change for Exercise Behavior(SOC)により行い,社会的要因(性,年齢,学歴,勤務時間,自由時間,社会的支援などの15項目),心理的要因(運動習慣の主観的評価,自己効力,運動に対する自覚的促進要因・阻害要因の4項目),身体的要因(BMI,血圧,総コレステロール値などの6項目)との関連を横断的に検討した.
その結果,SOCの分布は「無関心期」28.3%,「関心期」36.6%,「準備期」28.0%,「行動/維持期」7.1%で,SOCと有意な関連の認められた要因は,社会的要因の3項目(「休日自由時間」「友人のサポート」「同僚のサポート」),心理的要因の4項目(「運動習慣の主観的評価」「運動に対する自己効力」「運動に対する自覚的促進要因」「運動に対する自覚的阻害要因」)であった.SOCと身体的要因の間に有意な関連は認められなかった.
以上より,社会的要因,心理的要因はSOCによって異なり,SOCを評価することは運動指導や運動習慣の効果的介入のために有効と考えられた.Transtheoretical Theoryは日本人の運動習慣にも応用可能であり,今後この理論に基づいた行動医学的研究の発展が望まれる.
「デサントスポーツ科学」第20巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
その結果,SOCの分布は「無関心期」28.3%,「関心期」36.6%,「準備期」28.0%,「行動/維持期」7.1%で,SOCと有意な関連の認められた要因は,社会的要因の3項目(「休日自由時間」「友人のサポート」「同僚のサポート」),心理的要因の4項目(「運動習慣の主観的評価」「運動に対する自己効力」「運動に対する自覚的促進要因」「運動に対する自覚的阻害要因」)であった.SOCと身体的要因の間に有意な関連は認められなかった.
以上より,社会的要因,心理的要因はSOCによって異なり,SOCを評価することは運動指導や運動習慣の効果的介入のために有効と考えられた.Transtheoretical Theoryは日本人の運動習慣にも応用可能であり,今後この理論に基づいた行動医学的研究の発展が望まれる.
「デサントスポーツ科学」第20巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 下光輝一,小田切優子,涌井佐和子,井上茂,高宮朋子 |
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大学・機関名 | 東京医科大学 |
キーワード
運動習慣、心理行動医学、Transtheoretical Theory、Stage of Change for Exercise Behavior(SOC)、心理的要因、身体的要因