信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 競泳における持久的トレーニング強度の設定に有効なフィールドテストの検討

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.21 Vol.21

 本研究の目的は,血中乳酸濃度の測定を行わないフィールドテストにより得られた泳速度が,持久的インターバルトレーニングの運動強度として有効であるかどうかを検討することである.
 被験者は,男子大学競泳選手9名であった.フィールドテストの中で長時間泳とされる30分間泳(T-30)とOBLAスピードと相関が高く比較的短時間で行える10分間泳(T-10)を取り上げ,これらのテスト泳から得られた泳速度で200m×10回のインターバルテスト(IT@T-10とIT@T-30)を実施した.
 T-30およびT-10から得られた泳速度によるインターバルテストの結果,平均泳速度はIT@T-30が1.368±0.064m/s,IT@T-10が1.436±0.060m/s,平均血中乳酸濃度はIT@T-30が2.33±0.65mmol/l,IT@T-10が5.82±2.00mmol/l,トレーニングテスト中の平均心拍数はIT@T-30が168.3±12.1bpm,IT@T-10が182.1±8.6bpmであった.泳速度,血中乳酸濃度,心拍数,RPEそれぞれにおいて,IT@T-10の方が有意に高い値を示した(p<0.05).
 これらのことから,T-10は競泳トレーニングにおける持久的運動強度を設定するフィールドテストとして有効であることが示唆される.

「デサントスポーツ科学」第21巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 松波勝*1,田井村明博*2,洲雅明*3,田口正公*4
大学・機関名 *1 別府女子短期大学,*2 長崎大学,*3 大分県立芸術文化短期大学,*4 福岡大学

キーワード

血中乳酸濃度インターバルトレーニング泳速度持久的運動