信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 骨粗鬆症予防のための日常活動量に関する研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.21 Vol.21

 女性高齢者を対象として,日常歩行数,カルシウム調節ホルモンおよび栄養摂取状況の加齢変化を明らかにし,骨粗鬆症予防のための日常活動量について検討した.対象者は68歳から89歳までの健康な老人ホーム入居者16名であり,全員が自立した生活を送っている者である.その結果を以下に示す.1)歩行数は加齢に伴い低下していたが,カルシウム調節ホルモン,栄養摂取状況の加齢変化は認められなかった.2)骨吸収マーカーであるデオキシピリジノリンと歩行数および栄養状況との間に相関は認められなかった.3)活動量に見合うだけの栄養摂取が行われていない者において,デオキシピリジノリンが高値を示した.
 これらの結果から,高齢者では日常活動量が多すぎても骨吸収の亢進をもたらす可能性が示され,骨粗鬆症予防のためには,適度な運動の実施と良好な栄養状況を維持することが重要な因子であることが認識された.

「デサントスポーツ科学」第21巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 北川淳,中原凱文
大学・機関名 東京工業大学

キーワード

歩行数カルシウム調節ホルモン加齢変化骨粗鬆症日常活動量