信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 筋肉の利用方法の違いが疲労の発生と翌日の仕事量に及ぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.21 Vol.21

 長時間作業中の筋活動様式の違いが筋持久能や仕事量に及ぼす影響について検討し,また,これら筋利用方法の異なる作業が翌日の仕事量にどのような影響を及ぼすのか検討した.被験者(8名,年齢21-31)は足関節角度を110°もしくは130°に保ち,10%MVCの負荷を保持しつづける下腿三頭筋の等尺性収縮を長時間持久テストとして行った.テスト前後に最大随意収縮による足関節底屈筋力を測定し,また,実験を通して下腿三頭筋各筋から表面筋電図を記録した.協働筋の間で活動が交代する現象が観察される場合(AA群)では活動の交代がほとんど観察されず,振戦が多くみられる場合(T群)より持久時間が長く,翌日の減少率も小さかった(p<0.05).最大筋力は長時間持久テスト前後で両群とも低下したが(p<0.05),その低下率はAA群の方が小さかった(p<0.05).また,持久テスト中に下腿三頭筋がなした力積はT群では約45%減少した(p<0.05).これらの結果より,低負荷強度で長時間作業を持続する場合,協働筋の間で活動を交代するような筋活動様式は,より長く作業を遂行することができ,翌日の仕事量にも影響が少ないことが示唆された.

「デサントスポーツ科学」第21巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 田巻弘之*1,倉田博*1,北田耕司*2
大学・機関名 *1 鹿屋体育大学,*2 石川工業高等専門学校

キーワード

筋活動様式筋持久能仕事量協働筋