信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF クレアチン経口投与が高強度運動パフォーマンスを向上させるメカニズムの解明についての検討

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.21 Vol.21

 本研究は,高強度動的運動時の骨格筋エネルギー代謝に及ぼす,クレアチン経口投与の影響を検討することを目的として行った.健常成人男性12名[年齢=23.2±0.6歳;身長=173.9±1.0cm;体重=69.5±1.5kg(平均±標準誤差)]を6名ずつの2群に分け,1回5gのCreatine monohydrate(Cr)もしくはプラセボを1日6回,連続2週間経口摂取させた.投与期間2週間の開始前日および終了1日後,運動負荷試験を実施し,10秒間最大努力での動的グリップ運動のパフォーマンスの測定,および骨格筋エネルギー代謝の測定を行った.その結果,安静時筋クレアチンリン酸(PCr)濃度は,クレアチン投与後に11.9±2.8%増加した.また,高強度動的グリップ運動のパフォーマンスはクレアチン投与により15.3±4.8%向上し,運動中の筋PCrの低下が亢進する傾向を示した.運動中の筋pH,および筋酸素化ヘモグロビンの脱酸素化率は,投与による変化を示さなかった.以上の結果から,クレアチン経口投与は,1回の短時間・高強度運動パフォーマンスを向上させることが可能であり,向上させるメカニズムの一因は,運動中の筋PCrの低下の増大である可能性が示された.

「デサントスポーツ科学」第21巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 黒澤裕子,浜岡隆文,江崎和希,木目良太郎,本間俊行
大学・機関名 東京医科大学

キーワード

高強度動的運動骨格筋エネルギー代謝クレアチン経口投与