合繊系高吸水性繊維の繊維構造と湿潤熱
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.21 Vol.21】
本研究では,化学構造の異なる種々のアクリル系繊維を試料として吸水特性と湿潤熱との関係を検討した.試料の吸水特性は吸湿・吸水率並びに結合水量を評価し,湿潤熱は著者が設計・試作した断熱型カロリーメーターを用いて測定した.湿潤熱は,アクリル系繊維の化学構造や繊維構造とは無関係に繊維の吸湿率および結合水量と良い直線関係にあることを見出した.また,アクリル系繊維に存在するカルボキシル基当たりの発熱量は,再生セルロース繊維であるレーヨンなどの有する水酸基に比べて非常に高いことが判明した.これらの結果は,高吸湿性で湿潤熱の高いアクリル系繊維を調製するためには適度のカルボキシル基を導入し,繊維構造を制御することが重要であることを示している.
「デサントスポーツ科学」第21巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
「デサントスポーツ科学」第21巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 水谷千代美*1,辻井敬亘*2,宮本武明*3 |
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大学・機関名 | *1 平安女学院短期大学,*2 京都大学,*3 国立松江工業高等専門学校 |
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