信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 冷却衣服着用時の局所不快感に関する研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.21 Vol.21

 高温環境下における冷却衣服の効果および 人体を局所的に 冷却することによる不快感の 評価を行うことを目的とし ,被験者実験を行った .実験に用いた冷却衣服は,ベスト型の衣服に潜熱蓄冷材および 断熱容器からなる冷却パックを挿入し ,胸および 背中を冷却する構造である.冷却衣服の人体側の 平均表面温度は16.8℃であり,冷却部位の冷却量は 約33W/m²だった .被験者実験により,冷却衣服着用時の熱的快適性の評価を行った.その結果,冷却衣服の着用により,全身温冷感,快不快感,発汗感覚,熱的受容度などにおいて 心理的効果があることが 明らかとなった .しかし ,身体に異なる温度分布が 生じる際,その温冷感の差によって 不快感が 上昇することも示唆され た .これらの 結果より,身体を直接冷却する衣服を設計する際には,生理的な効果を制御するのみならず ,身体の 温冷感の 差が 大きくならないように 考慮しなくてはならないことがわかった.

「デサントスポーツ科学」第21巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 吉見直枝*1,田辺新一*2,長谷部ヤエ*3
大学・機関名 *1 お茶の水女子大学大学院,*2 早稲田大学,*3 お茶の水女子大学

キーワード

冷却衣服局所的に冷却不快感