介護動作のバイオメカニクス的研究
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.21 Vol.21】
本研究は,介護動作をバイオメカニクス的手法を用いて定量的な解析を試みた.上半身起こしと車椅子への移乗という介護動作が,三次元的に撮影され,映像データに基づいて介護者のエネルギーが算出された.そのエネルギーを中心にして,理学療法士(PT)と社会福祉学専攻学生の介護動作との比較検討を行い,PTの介護動作の特徴を明らかにした.ベッド起こし動作について,PTは,足をベッドに乗せて,低い姿勢から自分の体重を利用して被介護者を起こしている.その動作は,腰の屈曲・伸展が小さく,エネルギーの消費も小さかった.身体負荷の大きい車椅子への移乗動作については,PTは,できるだけ腰への負担を軽減し,主に大腿の筋群を用いて被介護者を抱き上げ,腰掛けさせるという動作になっている.このような動作は,エネルギーの消費が多くなる可能性があるが,腰の保護には有効だと考えられる.
「デサントスポーツ科学」第21巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
「デサントスポーツ科学」第21巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 湯海鵬 |
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大学・機関名 | 愛知県立大学 |
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