転倒に恐怖を抱く高齢者の身体活動量とADL評価値との関連について-日常生活の活動制限の実態とADLに及ぼす影響-
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.22 Vol.22】
本研究は,転倒への恐怖心を抱いて暮らす在宅高齢者の日常の身体活動量及び活動制限を明らかにするとともに,それらと移動能力との関連を示すことを目的とした.
被検者は,島根県A村で過去5年間において,転倒して大腿骨頸部骨折を来した2名だった.調査は2000年7月18-25日の期間に,1)身体活動量の測定,2)移動能力及びバランス能力の測定,3)質問紙及び面接による日常生活調査を実施した.
その結果,身体活動量として1日平均の歩数は被検者Aが579歩,Bが3,210歩と同年代の参考値と比較して低値であった.転倒恐怖に伴う活動制限が著しいことが,実測により確かめられた.移動能力とバランス能力も低値で,特に患側脚での支持力が著しく低下しており,歩行動作にも影響を及ぼしていた.本研究の実測や補助的な面接調査により,転倒恐怖を抱く高齢者は,活動制限が顕著で,移動能力も低いという悪循環を形成していることが示唆された.
「デサントスポーツ科学」第22巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
被検者は,島根県A村で過去5年間において,転倒して大腿骨頸部骨折を来した2名だった.調査は2000年7月18-25日の期間に,1)身体活動量の測定,2)移動能力及びバランス能力の測定,3)質問紙及び面接による日常生活調査を実施した.
その結果,身体活動量として1日平均の歩数は被検者Aが579歩,Bが3,210歩と同年代の参考値と比較して低値であった.転倒恐怖に伴う活動制限が著しいことが,実測により確かめられた.移動能力とバランス能力も低値で,特に患側脚での支持力が著しく低下しており,歩行動作にも影響を及ぼしていた.本研究の実測や補助的な面接調査により,転倒恐怖を抱く高齢者は,活動制限が顕著で,移動能力も低いという悪循環を形成していることが示唆された.
「デサントスポーツ科学」第22巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 上岡洋晴*1,岡田真平*1,武藤芳照*2,黒柳律雄*3,上野勝則*3 |
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大学・機関名 | *1 身体教育医学研究所,*2 東京大学,*3 東京厚生年金病院 |
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