信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 思春期生徒における骨密度の増加スパートの経年観察と運動及び食生活の影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.22 Vol.22

 思春期生徒の骨量の経年変化から,最大骨量に達する年齢を明確にし,また,学校での骨量測定や保健教育が子供の骨量を上昇させることができるのかを検討した.
 1995年から毎年1回5年にわたり,郡部に住む10〜15歳の全員である,女子262名,男子286名の右足踵骨骨量を超音波法で測定し,運動,食生活等生活習慣をアンケートにより調査を行い,骨量測定結果返却時に骨粗鬆症予防のための保健教育を行った.
 女子では15歳頃(初経発来2年後),男子は16歳以降に最大骨量に達するものと考えられる.初測定骨量との相関は男女とも体格,乳製品摂取,女子に畳の生活様式が観察された.骨量の経年変化との相関因子は男女とも野菜,魚摂取の増加であり,女子の畳生活者はイス式の者より高い骨量上昇と低い骨折率が認められ,初経発来前の運動量の増加とも相関が観察された.男子では骨量値への関心,運動や食生活に変容のあった者に高い骨量増加が認められた.
 以上のことより最大骨量獲得期における学校での骨量測定,骨量上昇のための保健教育は,より高い最大骨量の獲得を可能にし,骨粗鬆症予防に有効である可能性が示唆された.

「デサントスポーツ科学」第22巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 楠知子*1,広田孝子*1,石丸香織*1,竹田千奈美*2,広田憲二*3
大学・機関名 *1 辻学園中央研究室,*2 すさみ町環境保健課,*3 日本生命済生会付属日生病院産婦人科

キーワード

思春期生徒最大骨量運動食生活骨量獲得