低酸素トレーニングによる緩衝能の改善が高強度運動パフォーマンスに及ぼす影響
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.22 Vol.22】
本研究の目的は,低酸素環境下における短時間高強度運動トレーニングが,ヒト骨格筋の水素イオン(H⁺)緩衝能力および高強度運動パフォーマンスに及ぼす影響について検討することであった.
活動的な男子大学生12人の被検者を6人ずつ常酸素群と低酸素群とに分け,それぞれに30秒間全力ペダリング運動を用いた週2回8週間の高強度トレーニングを行わせた.トレーニングの前後に,最大酸素摂取量,非代謝性CO₂排出量,大腿の筋横断面積,筋線維組成および筋カルノシン濃度を測定した.
8週間のトレーニング中,30秒間全力ペダリング時の最高パワーは,低酸素群においてのみ徐々に増加した.平均パワーは,両群ともに徐々に増加したが,その増加率は,低酸素群が常酸素群に比べて大きい傾向にあった.また,筋カルノシン濃度は,両群ともに有意に増加した.これらの結果は,低酸素環境下における高強度トレーニングが,筋緩衝能力を改善し,筋パワーおよび筋パワーの持続能力を向上させる可能性を示している.
「デサントスポーツ科学」第22巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
活動的な男子大学生12人の被検者を6人ずつ常酸素群と低酸素群とに分け,それぞれに30秒間全力ペダリング運動を用いた週2回8週間の高強度トレーニングを行わせた.トレーニングの前後に,最大酸素摂取量,非代謝性CO₂排出量,大腿の筋横断面積,筋線維組成および筋カルノシン濃度を測定した.
8週間のトレーニング中,30秒間全力ペダリング時の最高パワーは,低酸素群においてのみ徐々に増加した.平均パワーは,両群ともに徐々に増加したが,その増加率は,低酸素群が常酸素群に比べて大きい傾向にあった.また,筋カルノシン濃度は,両群ともに有意に増加した.これらの結果は,低酸素環境下における高強度トレーニングが,筋緩衝能力を改善し,筋パワーおよび筋パワーの持続能力を向上させる可能性を示している.
「デサントスポーツ科学」第22巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 伊藤穣*1,鈴木康弘*2,山崎一彦*3,高松薫*2 |
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大学・機関名 | *1 国立スポーツ科学センター,*2 筑波大学,*3 株式会社デサント |
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