中強度の運動が脳活動に与える影響
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.22 Vol.22】
本研究は中強度のランニング時の脳活動をポジトロン断層法(PET)と[¹⁸F]-fluoro-deoxyglucose([18F]-FDG)を用いて観察した.被験者はランニング群7名およびコントロール群9名であった.ランニング時の心拍数は140〜150拍/分に保たれた(平均速度2〜2.5m/sec).ランニング時間は35分であった.
脳局所の糖取り込み(脳活動)はランニング群とコントロール群を統計的に比較し明らかにした.ランニング時には頭頂葉連合野,後頭葉,運動前野および小脳虫部の糖取り込みが有意に上昇した.最も高い糖取り込みは頭頂葉連合野であった.一次感覚運動野では脚をつかさどる内側上部が胸や上腕をつかさどる外側部よりも高い糖取り込みを示した.中強度ランニング時に頭頂葉から後頭葉にかけて,より高いエネルギー消費が認められたことから,運動指令よりも感覚情報の統合に,より多くのエネルギーが必要であることが示唆された.我々の結果はPETと[¹⁸F]-FDGが運動時の脳活動を観察するために有用な手法であることを示唆している.
「デサントスポーツ科学」第22巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
脳局所の糖取り込み(脳活動)はランニング群とコントロール群を統計的に比較し明らかにした.ランニング時には頭頂葉連合野,後頭葉,運動前野および小脳虫部の糖取り込みが有意に上昇した.最も高い糖取り込みは頭頂葉連合野であった.一次感覚運動野では脚をつかさどる内側上部が胸や上腕をつかさどる外側部よりも高い糖取り込みを示した.中強度ランニング時に頭頂葉から後頭葉にかけて,より高いエネルギー消費が認められたことから,運動指令よりも感覚情報の統合に,より多くのエネルギーが必要であることが示唆された.我々の結果はPETと[¹⁸F]-FDGが運動時の脳活動を観察するために有用な手法であることを示唆している.
「デサントスポーツ科学」第22巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 藤本敏彦,伊藤正敏,田代学 |
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大学・機関名 | 東北大学 |
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