信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 高齢者におけるレジスタンストレーニングのインスリン作用に及ぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.22 Vol.22

 加齢によりインスリン抵抗性が増大し,有酸素運動トレーニングが低下したインスリン作用を改善することはよく知られている.しかし,レジスタンストレーニングの有用性については,いまだ確立していない.本研究では,レジスタンストレーニングが,インスリン作用に及ぼす影響について検討を加えた.平均年齢68歳の健常男性高齢者12人をレジスタンス運動単独トレーニング群(RT group)または有酸素運動とレジスタンス運動併用トレーニング群(CT group)に分け,週3日,12週間のトレーニングを行わせた.トレーニング前後でインスリン注入率40mU/m²/minおよび400mU/m²/minの2段階euglycemic clamp法を実施し,グルコース注入率(GIR)をインスリン作用の指標とした.トレーニングにより体重あたりのGIRは,CT group,RT groupともに有意に増大した(RT groupでは,インスリン注入率400mU/m²/minにおいてのみ).一方,筋重量あたりのGIRは,CT groupでは有意な増大を示したが,RT groupでは有意な変化を認めなかった.以上の結果は,高齢者がレジスタンス運動トレーニングを実施するにあたっては,レジスタンス運動単独よりも,有酸素運動と併用した方が,インスリン作用の改善に効果的であることを示唆している.

「デサントスポーツ科学」第22巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 北村伊都子*1,竹島伸生*2,押田芳治*1,佐藤祐造*1
大学・機関名 *1 名古屋大学,*2 名古屋市立大学

キーワード

加齢インスリン抵抗性酸素運動レジスタンストレーニング