信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF スポーツの場における喫煙の影響に関する研究-作業前後の喫煙がパフォーマンスや自律神経に及ぼす影響-

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.22 Vol.22

 本研究は,喫煙習慣(約20本/日)のある健康な男子を対象に,喫煙による安静時や等尺性の短時間の運動中(実験1)や自転車駆動による最大無酸素性パワー作業中・後(実験2)あるいは喫煙中止による最大下及び最大のトレッドミル走後(実験3)の心拍数や副交感神経の活動水準への影響について明かにすることを目的とした.副交感神経の活動水準は心拍の周波数分析によって測定した.その結果,喫煙は心拍数を1〜22拍/分高め,最大パワーテストによる心拍数の高まりは喫煙前では副交感神経の活動水準の低下に,喫煙後では逆に交感神経の活動水準の高まりによる.また8〜19日の喫煙中止は安静時や最大下のランニング中の心拍数を低下させ,副交感神経の活動水準を高めるように作用する.しかし,最大及び最大下作業中のVO₂,VE,LAへの影響は個人によって異なった.本研究結果から喫煙によって副交感神経は抑制を受け心拍数を高めるが,喫煙後の短時間の無酸素的最大パワーテストでは,交感神経の活動水準の高まりによって心拍数は高まる.また,喫煙の中止は最大あるいは最大下作業及び安静時において,逆に副交感神経を興奮させ,心拍数を低下させることが明かとなった.

「デサントスポーツ科学」第22巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 山地啓司*1,橋爪和夫*1,小野寺孝一*2,梅野克身*2,北川鉄人*3
大学・機関名 *1 富山大学,*2 富山医科薬科大学,*3 富山医科薬科大学

キーワード

喫煙習慣等尺性運動最大無酸素性パワー作業中心拍数副交感神経交感神経