信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 発汗の動的特性による衣服の着心地評価に関する研究

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.23 Vol.23

 被験者に様々な温熱性刺激を与えた際の発汗量経時変化を周波数解析し,発汗の動的特性について検討を行った.温熱性発汗は,脳波や心拍数など他の生理学的現象と同様,ゆらぎを持つ現象であることが示された.被験者を暑熱馴化している馴化群と非馴化群とに分け,暑熱暴露下での発汗および感覚の時間的な変動の特徴を比較検討した.両群の発汗ゆらぎに差はなかったが,発汗パワースペクトルにおける特定周波数域の周波数成分の多寡が異なることが明らかとなった.快・不快感覚の経時変化は暑熱馴化により異なり,馴化群と非馴化群で快・不快の構成要素は異なっていた.暑熱環境を想定した快適な衣服の開発に際し,着用対象者の暑熱適応能を明らかにすることの重要性が示唆された.発汗の動的特性を用いて馴化・非馴化の評価を可能にする本研究の成果は,暑熱下での着心地の良い衣服設計を目指すにあたり有用である.

「デサントスポーツ科学」第23巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 佐藤真理子
大学・機関名 文化女子大学

キーワード

温熱性刺激発汗暑熱適応能着心地の良い衣服