運動に伴う乳房振動の特性分析とスポーツブラジャーの防振デザインへの反映
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.23 Vol.23】
スポーツ時の乳房の揺れを抑制することはスポーツブラジャーに求められる重要な機能であり,運動の記録に影響を与える重要な因子である.本研究ではこのようなスポーツブラジャーを取りあげ,それの着用前後で運動時の乳房振動特性がどのように変化するかを分析するとともに,防振デザインを考慮に入れたスポーツブラジャー設計へのアプローチについて検討した.
乳房の振動実験の結果,以下のことが判明した.
①裸体時の乳房振動は運動に応じた周期を持っていた.振動は乳房の柔らかい部位で大きく,振幅は左右方向より上下方向に大きい.
②歩行時は内輪と中輪が同程度の振動を示すが,走行時には体側側の振動がより大きくなる.
③乳房振動はスポーツブラジャーの着用によって抑制されたが,歩行の周期は除去できなかった.特に走行時の乳房振動の抑制効果は小さく,体側側の防振が図れていない.防振デザインを目的とするスポーツブラジャーは体側側の圧力を強くする必要がある.
上記振動実験の結果を,特定構造の曲面からなる3次元人体形状モデルの制御点に反映することで,スポーツブラジャーに防振機能を付加した設計を行うことができる.
「デサントスポーツ科学」第23巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
乳房の振動実験の結果,以下のことが判明した.
①裸体時の乳房振動は運動に応じた周期を持っていた.振動は乳房の柔らかい部位で大きく,振幅は左右方向より上下方向に大きい.
②歩行時は内輪と中輪が同程度の振動を示すが,走行時には体側側の振動がより大きくなる.
③乳房振動はスポーツブラジャーの着用によって抑制されたが,歩行の周期は除去できなかった.特に走行時の乳房振動の抑制効果は小さく,体側側の防振が図れていない.防振デザインを目的とするスポーツブラジャーは体側側の圧力を強くする必要がある.
上記振動実験の結果を,特定構造の曲面からなる3次元人体形状モデルの制御点に反映することで,スポーツブラジャーに防振機能を付加した設計を行うことができる.
「デサントスポーツ科学」第23巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 岡部和代*1,黒川隆夫*2 |
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大学・機関名 | *1 京都女子大学,*2 京都工芸繊維大学 |
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