信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF スポーツ時の運動筋血流量はメンタルトレーニングにより増強できるか?

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.23 Vol.23

 スポーツ時に運動筋への血流量は著明に増加する.このメカニズムとして,筋活動代謝により産生された物質が筋抵抗血管を拡張させ筋血流量を増加させると思われる.交感神経系は見込的・予測的な循環調節と深く関係するので,交感神経活動は運動開始時に予測的に筋血流量を増加させ運動準備状態を作るという仮説を考えた.この疑問を検証するために,超音波カラードップラー血流計を用いて無侵襲下でヒト上腕動脈血流量を計測し,運動イメージに対する血流量および血管コンダクタンスの応答を調べた.その結果,掌握運動のメンタルイメージにより高次中枢からの交感神経性調節は筋抵抗血管を拡張させ運動筋血流量を増加させることを明らかにした.この所見から,スポーツ筋運動のパフォーマンスを向上させる手段として,メンタルトレーニングより運動筋への血液供給を見込み的に迅速に行うことが有効であると思われた.また,スポーツ時の運動筋血流量はメンタルトレーニングより増強できることを示唆した.

「デサントスポーツ科学」第23巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 松川寛二,村田潤,土持裕胤,小峰秀彦
大学・機関名 広島大学

キーワード

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