競泳用水着がパフォーマンスに与える影響
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.23 Vol.23】
本研究の目的は,最新の水着がヒトの身体周りの流れおよび抵抗にどのような影響を与えるかを従来型の水着と比較することで検証し,実際の泳パフォーマンスへの影響について検討することであった.被験者は大学男子競泳選手であり,実験には,足首まで被っている最新型のロングスパッツタイプと従来型のビキニタイプが用いられた.パッシブドラッグは1.50m/s,1.80m/s,2.00m/sの3段階において測定され,両者間では有意な差は認められなかったものの,ロングスパッツタイプの着用によって約4%の抵抗軽減が認められた.また水着にタフトを縫い付けることで身体周りの流れを可視化し,観察を行った.その結果,足首までを水着で被うことによって大腿部前面のタフトの挙動が安定し,その周辺の流れが層流を維持することがうかがえた.さらに,回流水槽を用いた高強度のパフォーマンス実験において,ロングスパッツタイプの方がビキニタイプよりも,同じ泳速度で泳継続時間が長く,パフォーマンスに好影響を与えることが示唆された.
「デサントスポーツ科学」第23巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
「デサントスポーツ科学」第23巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 野村武男*1,栃原裕*2,富樫泰一*3,下山好充*4,市川浩*5 |
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大学・機関名 | *1 筑波大学,*2 九州芸術工科大学,*3 茨城大学,*4 筑波大学 |
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