急性運動の強度が動脈血栓形成能に及ぼす影響
【大分類：7. デサントスポーツ科学 小分類：7.24 Vol.24】
本研究は，各個人の換気性作業域値（VT）に基づく運動強度の違いが血小板反応性および凝固能に及ぼす影響を検討することを企図した．若年健常者7名に，各被験者のVT強度の130%（EX-130%VT），および90%（EX-90%VT）に相当する強度の30分間の運動を負荷した．各強度の運動前，運動終了直後，運動終了30分後に採血し，血小板反応性，凝固能，血球数，ヘマトクリット値，血中乳酸値，血漿カテコールアミン濃度を測定した．血小板反応性，凝固能の測定にはHaemostatometer法を用いた．運動終了直後の血球数，ヘマトクリット値，乳酸値，カテコールアミン濃度は，EX-90%VTによって有意ではあるが僅かに，EX-130%VTによって顕著に上昇した．これらの測定値は両強度の運動とも終了30分後には運動前のレベルに低下した．血小板反応性，凝固能は，EX-90%VTで有意な変化はなく，EX-130%VTではどちらも有意に亢進した．この亢進は運動終了30分後も維持された．これらのことから，運動実施により誘引される冠動脈疾患のリスク上昇に運動強度が関与していることが示唆された．
「デサントスポーツ科学」第24巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
「デサントスポーツ科学」第24巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
| 研究者名 | 鵤木秀夫*1，柴田真志*2，柴田しおり*3，高（大石）智美*4，山本順一郎*4 |
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| 大学・機関名 | *1 神戸商科大学，*2 兵庫県立看護大学，*3 神戸市看護大学，*4 神戸学院大学 |
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