イメージ・トレーニングの認知的メカニズムに関する基礎的研究
【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.24 Vol.24】
イメージ・トレーニングの認知的メカニズムを検討するために2つの実験が行われ,描画動作とイメージ能力が,イメージにおける多義図形反転課題(実験1)と,誘導イメージ課題(実験2)の成績に及ぼす効果が検討された.その結果,高イメージ群の成績は,描画動作の有無にかかわらず高かったが,低イメージ群は描画動作がある時に限って,高イメージ群と同等の成績であり,動作がない場合は低成績であった.これらの結果は,イメージ能力が描画動作と同等の機能を有していること,およびイメージの形成,操作が運動プログラムと密接に関連しており,そのプログラムが描画動作によって活性化され,イメージ課題の成績の向上を導くことを示すものと考えられる.このような解釈に基づき,Psychoneuromuscular理論の方が,Symbolic Perceptual理論よりも妥当であり,低イメージ群のためのイメージ・トレーニングとしては,運動もしくは動作意図の随伴が有効であろうという示唆がなされた.また,最後に,イメージ・トレーニングの基礎をなすイメージ処理過程のモデルが提案された.
「デサントスポーツ科学」第24巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
「デサントスポーツ科学」第24巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 | 菱谷晋介 |
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大学・機関名 | 北海道大学 |
キーワード
イメージ・トレーニング、認知的メカニズム、描画動作、イメージ能力、運動プログラム、Psychoneuromuscular理論、Symbolic Perceptual理論