信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 空力特性に基づいたスキージャンプ飛行の最適化

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.24 Vol.24

 本研究の目的は,飛距離最大を達成するために,時々刻々ジャンパーがとるべき姿勢制御法を明らかにすることである.この目的を達成するため,実物大模型を用いた風洞実験と最適化計算を行った.風洞実験では,迎え角,前傾角(体とスキー板の間の角)およびスキーのV字開き角をパラメータとして,揚力,抗力およびピッチンモーメントを計測した.これらの実験データを最小二乗法により近似し,多項式を求めた.これにより,任意の迎え角,前傾角およびスキーのV字開き角に対して,ジャンパーに働く空気力を容易に求めることが可能になった.最適化計算は実験で得られた空気力に基づいて実行し,向かい風・追い風がある場合の前傾角最適制御法を明らかにした.前傾角の最適制御法は,風向きによって定量的に異なるが定性的には等しい.飛距離最大を達成するためには,テイクオフ直後とランディング直前を除いて,前傾角を数度に保つ必要がある.また,向かい風による飛距離増大効果は技術(最適化)による飛距離増加以上に大きいことが明らかになった.

「デサントスポーツ科学」第24巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 瀬尾和哉*1,村上正秀*2
大学・機関名 *1 山形大学,*2 筑波大学

キーワード

姿勢制御V字スタイルスキージャンプ空力でデータベース