信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 比較的短期間の高脂肪食摂取が血液性状および運動時のエネルギー代謝に及ぼす影響

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.25 Vol.25

 本研究は5日間という比較的短期間の高脂肪食摂取が血液性状や運動時の糖質・脂質代謝に及ぼす影響を検討した.被験者として運動部に所属する男子大学生6名を用いた.普通食(脂質エネルギー比が約25%)もしくは高脂肪食(脂質エネルギー比が約60%)を5日間摂取した後,6日目に普通食を摂取し,さらの7日目に60%VO₂maxの自転車運動を60分間負荷した.体重,体脂肪率および安静時の血中脂質レベルには食事による違いが見られなかった.しかし,運動時の呼吸交換比は高脂肪食を摂取した方が低く,計算により求めた脂質寄与率は高脂肪食を摂取した方が高かった.持久的運動後に行った自転車運動による7.5kmタイムトライアルの結果は食事による影響が認められなかった.以上の結果から比較的短期の高脂肪食摂取は肥満や高脂血症を引き起こすことなく,運動時の脂質代謝を亢進するものと考えられるが,持久力増大には必ずしも効果があるとは言えない.

「デサントスポーツ科学」第25巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 中谷昭*1,辻井啓之*1,八木典子*2
大学・機関名 *1 奈良教育大学,*2 甲子園大学

キーワード

高脂肪食摂取血液性状運動糖質・脂質代謝