信州大学 繊維学部技術データベース

Research Seeds

PDF 車椅子競技者の寒冷下運動時における自律性体温調節とホルモン応答

【大分類:7. デサントスポーツ科学 小分類:7.25 Vol.25

 本研究は,脊髄損傷を有する車椅子マラソン競技者の寒冷環境下での運動に対する生理学的反応を主として体温調節反応特性から明らかにすることである.被験者は,脊髄損傷の男子車椅子マラソン競技者(車椅子競技者)と一般男子大学生(大学生)であり,持久的運動能力の指標である最大酸素摂取量は,車椅子競技者が大学生より大きかった.測定の条件と運動負荷は,平均環境温度12℃,平均相対湿度60%そして平均気流0.5m/secの測定室で30分間安静の後,armcrankingエルゴメータ運動を20watts(50rpm)で60分間負荷した.測定項目は,安静と運動中の鼓膜温,平均皮膚温,産熱量そしてカテコールアミン,寒冷血管拡張反応である.寒冷暴露下運動中の鼓膜温,平均皮膚温,産熱量およびカテコールアミンは,大学生より車椅子競技者が亢進していた.寒冷下での寒冷血管拡張反応は,車椅子競技者が大学生より抗凍傷指数が高かった.寒冷下での運動に対して体温調節の感受性・熱産生および末梢血管反応は,車椅子競技者が一般大学生より優れていた.

「デサントスポーツ科学」第25巻/公益財団法人 石本記念 デサントスポーツ科学振興財団
研究者名 管原正志,土屋勝彦,田井村明博,上平憲
大学・機関名 長崎大学

キーワード

脊髄損傷車椅子寒冷環境生理学的反応体温調節反応最大酸素摂取量